皆さまは日本旅館の歴史が世界最古のものだとご存知でしょうか?
そもそもの始まりは、奈良時代まで遡ります。地図も交通手段も整っていなかった時代、旅とは命がけのものでした。大和(奈良県)へ向かう人の命を守るため僧侶たちが始めたのが「布施屋」といわれる今の旅館の最初の形です。そこから長い鎖国の時代を経て、日本旅館は世界にはない独自の文化を築いてまいりました。
海外の国ではホテルはただ寝るためのところ、です。お料理を出し、温泉があり、仲居さんと呼ばれる世話係が心を込めておもてなしをする…日本ではしごく当たり前のことですが、このような形態は世界中探しても見つかりません。
そして、旅館が大きな変化を遂げたのは江戸時代。戦乱のない穏やかな時代が300年続いたことから東海道などの宿場町が栄え、多くの旅籠ができ今の旅館の礎となりました。
ちょうどその頃、私ども「大阪屋」は産声を上げました。淡嶋神社の参拝の方、釣り人をもてなす宿として幾度の変遷を辿ってまいりました。
私どもは贅を尽くした高級旅館ではありません。お洒落なデザイナーズ旅館でもありませんし、観光地にある設備の整った大型旅館でもありません。
ただあるのは田舎に帰ったようなどこか懐かしい空間。ここ加太は漁師町特有の色と匂いと音が息づき、何百年の年月を一所懸命に紡いできた先人の魂がいまも生き続けています。そんな加太の歴史とともに歩み続ける温もりの宿でありたいと願っております。
加太は小さな漁業の町です。メバル・アジ・カレイ・オコゼ・タコ、豊富な種類が水揚げされますが、とりわけ「真鯛」は明石、鳴門とならぶ全国でも屈指の好漁場でもあります。友ヶ島近辺の紀淡海峡は潮の流れが速く、身の引き締まったとても美味しい鯛が釣れるのが特徴です。
また、海水が美しいため良質のエサを食し、すべて一本釣り漁法で釣り上げるため傷がなく、関西圏の高級料亭などで「トップブランド」として珍重され続けています。当館の生け簀ダイニング「旬魚旬菜 あくら」では生け簀に活魚がいっぱい。もちろんお好みのものをお好みの方法で召し上がっていただくことができます。
もうひとつの美味しさは赤間料理長が心を尽くしてご用意する創作和風会席。目にも舌にも美味しいお料理は一種の芸術作品です。何度となくお越しのリピーターさまにも絶大な支持をいただくお料理をぜひ召し上がって下さい。
「よくいらっしゃいました」。
我が家に大切な人を迎えるときどうしますか?玄関もお部屋もきれいに掃除し、美味しいお茶とお菓子をお出しし、そして心尽くしの料理を振舞う…
旅館とは決して難しいお商売ではないのだと思います。当たり前のことを心を込めて笑顔とともに…初心をいつも忘れない宿でありたいと思います。
毎月3日はひいなの日。
女性限定でお得にお泊りいただけます。
また、色浴衣の無料貸し出しなど女性が喜ぶおもてなしが数多くございます。
館内で受けられる本格エステは日頃の疲れを癒してキレイになりたい方にピッタリです。
創業200余年。何百年の年月を懸命に紡いできた先人の魂が今も生き続けるひいなの湯。
どこか懐かしいような、いつの時代もゲストをそっと包み込む、そんな宿であるために私たちはこれからも歩み続けます。