お母さんは3人
高校三年生になった次男坊が新しい担任の先生から
「利光くんのところは旅館なんやてなー」
と声をかけられたそう。
彼の今までの人生の中で(とはいってもまだ17年ですが)その質問は何度となく受けてきたことでしょう。
小学生の頃。
ひとりで大浴場に入っていると
「ボク、ひとり?お父さんは?」
と100%お客さまに声をかけられたそう。
(↑ そりゃそうだろうね )
以下やり取りは続く。
「お父さんはいま部屋です」
客「へーひとりで偉いなぁ。どこから来たんや?」
「田辺市です」
客「名前は?」
「※※※〇〇〇です」
(↑ 嘘八百・・・ )
必ずこういうやり取りがあったということを
彼が中学生になったころに初めて聞いた私。
というか今まで
「そういえばパブリックスペースでお客さんと一緒になったときってどうしてるんだろ??」
なーんて疑問に思ったこともなかった自分に愕然。
なんてダメ母なんやろ・・・とそのときばかりは反省もしたが
それよりも何よりも
まだランドセルが歩いているような可愛い息子(私にとっては)が
日常において大人相手にさらりとウソついていたことは脳天を撃ち抜かれるほど衝撃的でもありました。
誰も傷つけないウソではありましたが。
でもよくよく考えると
毎回毎回同じこと聞かれると耐性ができてくるよなぁ。
ほんでもって、防衛本能みたいなものでウソも言うようになるよなぁ。
すぐに衝撃が理解に変わる立ち直りの早い母。
私はわりと一般的な厳格な家庭で育ってきたので旅館に生まれ旅館で育つ我が子が
いかに特殊な環境下にあるかがわかります。
ところが当人たちにとってはそれが日常そのもので
他のご家庭の子たちとの違い
特にこの手抜きざんまいの子育てはこれからいろんな場面で知っていくことになると思う。
いやもうすでに感づいてるか?笑
主人は私の家に来たとき家庭の狭い湯舟に(私にとってはごく普通のお風呂だが)
家族が代わる代わる交代で入ることに強烈に抵抗を示した。
そういうことです。
そういえばその反動からか
次男坊は大浴場に入るのを敬遠するようになり
最近は家のバスタブにたっぷりお湯を張って入るのが究極に幸せらしい。
友だちがお小遣いを寄せあって誕生日に贈ってくれたという防水のbluetoothスピーカーをお供に湯舟で熱唱する時間が。笑
「いつも温泉に入れていいなぁ」
と友だちは言ってくれる。
けれど
次男坊にとっては自宅のバスタブに浸かること、そんな当たり前のことが幸せなんだなー。
お風呂場から漏れ聞こえてくるときどき外れる歌声に笑えながらもちょっとしんみり。
主人にしてもそうですが
大人ばかりの世界で育ってきた子は周囲から見た自分
もしくは自分が周囲にもたらす影響みたいなものを
俯瞰で見極めるバランス感覚が自然と身に付いてくる(ような気がする)。
これで海千山千で大人顔負けの世渡りをしたら逆に心配ですが
子どもらしい素直さ(頼りなさとも言う)もしっかり備わっているので
その辺はおじいちゃんおばあちゃんに育ててもらったことを感謝するしかありませんね。
小学生の頃のフォト
遅く帰宅すると既に寝ている手をそっと握るの図
そうそう。
それで最初に戻りますが
先生とのやり取りの流れで
「ボクにはお母さんが3人いるんですよ」
と言ったそう。
へ?3人?あーなるほど3人ね。
もちろんワタクシとおばあちゃん(義母)と30年以上ウチで働きみんなからゴッドマザーの称号を得ているみっちゃん。
二人にこのことを話すととても嬉しそうでした。
うーん、これもバランス感覚の妙か?
女心をくすぐるのが上手いぞ次男坊!
しかし3人の母か・・・。
彼の中ではそれは常識でごく自然のこととして受け止めてくれているのだなと。
それをニコニコと楽しそうに話す次男坊を想像して
母はなんだか嬉しくて
「ねーねーほんで先生どう言わはったん?」と聞くと
「ええなぁ。幸せやなぁ利光くんは」ですって。
先生ナイス!!
その言葉は大いに彼を幸福感で満たしたことでしょう。
そして幸せにしてもらったその輪をいろんな人に広げるのでしょう。
こうして大きな人間関係のなかで成長するのね。
母親が言うのもなんですが結構ええやつなんです。笑
最近は一緒に写真に写ってくれないのでこっそり
そんなわけで感謝ですね。
いろいろと。
長々とごめんなさい。
さてと夕食タイム張り切っていこーーーーー(⋈◍>◡<◍)。✧♡